ゾロアスター教の本拠地といわれるYazdヤズド。
ゾロアスター教については以前も少し触れたけど
漢字だと拝火教と書かれるように
善の象徴として火を尊ぶ宗教で
紀元前6世紀頃古代ペルシャ(いまのイラン)に興り
イスラム教が台頭するまでは古代ペルシャの国教だった。
そしてイスラム教国家となったいまでも
イランにはゾロアスター教起源の風習が色濃く残っている。
そのひとつが暦。
これがイランのカレンダー。
真ん中の大きな数字(アラビア文字)がイランの暦。
右下の小さな数字(アラビア文字)はイスラムの暦。
左下の小さな数字(算用数字)は西暦。
イランではこの三つの暦を使い分けているんだよ。
それから、これも以前書いたけれど
イランにおける冬至の風習もゾロアスター起源だそう。
他にも日本のお盆みたいに
先祖の霊をお迎えして送り出す風習もあるのも興味深い。
近年では、日本のお盆の火送りの風習も
インド伝来と思われていたのが
ゾロアスター教起源ではないかという研究もあるとか。
イランの人から直接話を聞いただけの
あくまで個人的見解&直感ではあるけれど
イランに残るその風習と日本のお盆の風習は
まったく因果関係がないと考えるほうが不自然なくらい
よく似ていて驚いたよ!
とにかく、イランにいると
ゾロアスター教のことがやたらと気になってくる・・・
というわけで、ヤズドにきたからには
ゾロアスター教の名所巡りは欠かせない!
まずはみどころのひとつ、沈黙の塔へ。
ここへは公共の足はないのでタクシーを拾う。
道すがら出逢ったおじさん(ツアーガイドをしているらしい)が
沈黙の塔(タワー・オブ・サイレンス)と英語で言っても
タクシーの運ちゃんには伝わらないから
「ダフメ」と言うといいよと教えてくれた。
アドバイスのお陰で、無事街の外れにある沈黙の塔(ダフメ)に着いた。
前方に見えるふたつの丘。
その上には砦のような石垣がみえる。これが沈黙の塔。
じつは、沈黙の塔とはゾロアスター教のお墓のこと。
ゾロアスター教では、火の他にも
土、水、空気を神聖なものとしているので
火葬や土葬はタブーということで、代わりに鳥葬を行っていたのだそう。
イラン政府が禁じる1930年代まで
ここで鳥葬が行われていたと聞いたが
ヤズドで出逢った人たちが教えてくれる情報はマチマチ。
50年代までだとか、いやいや80年代までだとか・・・
もしかしたら闇でひっそり行なわれていたのかも???
丘の上に登りながら見下ろすと
現代のゾロアスター教の墓地(矢印)が見えた。
向かって左の丘の左側登りはじめたのだけど、想像以上の難関!
山登りというより軽〜く岩登り入ってたし。。。
あとでわかったけど、丘の右手にラクなルートありました(;゚∀゚)
はぁ〜あともう少しだー。。。
ここが入口。
内部は、中心に大きな穴が掘られていた。
ここに遺体を収めたのかな?
こちらの塔は男性用。
お次は低い方、女性用の沈黙の塔へと向かう。
女性の方は石畳の石が大きく、しっかりと残っていた。
女性の丘から男性の丘を望む。
今度は待っていてもらったタクシーで市内に戻り
ヤズドで最も重要といわれるゾロアスター教寺院を目指す。
英語の通じない運ちゃんになんて伝えようか?と
考えながら歩いていたら
なんと!さっきのおじさんがまた現れたw(゚0 ゚)w
私たちの要望をおじさんがペルシャ語で運ちゃんに伝えてくれる。
この偶然なんだろ〜?
運ちゃんはほとんど英語を解さないのだけど
タクシーのバックミラーに貼ってあった娘さんの写真に
「ホシュゲレ」(きれいとかいいねって意味のペルシャ語)と
声を掛けたら、めっちゃ喜んでくれた♪
ここが通称「火の神殿(テンプル・オブ・ファイヤー)」
とよばれるゾロアスター教寺院。
これがゾロアスター教のシンボル。
「善思・善語・善行」を説いているそうだ。
建物自体はそう古くない。そして、超シンプル。
ガラスの奥に1500年前から燃え続ける炎が祀られているのみ。
たまたま居合わせたイタリア人男性と立ち話。
「カトリックやイスラムに比べると随分とシンプルだね」と彼。
彼が「シンプル」と指しているのは寺院のことだけでなく
ゾロアスターの教義についての説明書きも踏まえてのこと。
カトリックやイスラムは
あれは善い、これは悪いって、細かくいっぱいあるからね〜。
それに比べたら「善思・善語・善行」だけなんて
なんてシンプルなんだ!だって。
教義については、ゾロアスター教も実際は
もっと細かいことがあるのかもしれないけど・・・
ただ、その寺院の造りのシンプルさは
キリスト教やイスラム教のそれと比べると本当に驚くね。
そして、そのシンプルさゆえに
かえって神聖な気持ちにさせられる。
それは沈黙の塔(ダフメ)も同じ。。。
ヤズドの代表的建築のひとつ
タキーイェ・アミール・チャグマグ(覚えられん!^_^;)
の前で運ちゃんとお別れ。
娘さんの写真のやりとりで、グッと仲良くなったと思ったのに
待ち時間長かったからさ〜と言い値よりも上乗せ請求(>_<)
言葉が通じなくても、お金のやりとりだけはなぜか通じるのがフシギだ。
それでもなかなかいい運ちゃんだったからここは懐をひろ〜くして
娘さんへの心付けだよと気持ちよくクルマを降りた。
この大きなモスクのような建物のアーケード部分をくぐったら
なかなかローカルないい感じのレバーのケバブ屋が並んでた。
お客が多く賑わっていた一軒に入ったら
私たちのあとからやってきたカップルと相席になった。
ここでもやっぱりケバブ屋の主人はペルシャ語のみだったので
このカップルが私たちの注文を助けてくれて、とっても助かった。
そして、こちらは助けてもらってばかりだったのにも関わらず
カップルは私たちの分のお代まで払っていってくれた!
イランの人ってなんでこんなに優しいんだーーー(T-T)
世界中でイランに対していろんなイメージが先行しているようだけど
少しでも関心がある人は
自分の目、自分の肌で体感しにぜひ訪れてほしいな (^_^)
ヤズドでみつけた固いお菓子のようなパン(これも旨い)。
こちらはサフラン風味のお砂糖の塊。
ここの店主のおじさんは寡黙な人。
ひとっことも言葉を発しなかったけど、写真は撮らせてくれた。
今日もいろんな出逢いがあったなぁ〜。
イランでありがとうは「メルシー」
今日も読んでくれてありがとう♪ メルシー \(^o^)/