今いるŞanlıurfaシャンルウルファの郊外には
Göbekli Tepeギョベクリ・テペという遺跡がある。
チャナッカレで知り合ったビルギン君がおススメのこのギョベクリ・テペは、
およそ12000年前(!)と推測される世界最古の宗教建築(神殿)が
発見された遺跡で、社会科の教員としては是非行ってみたい場所だ。
しかしシャンルウルファからギョベクリ・テペまでは
公共の交通機関が全くない…😵
故に、ツアーに参加するかタクシーをチャーターする方法しか
行く手段がなくて、どうすっかな〜って迷ってた。
あ〜そうだ!
同じ宿に泊まってるトルコ人の兄ちゃんが英語が少し話せるし、
感じもいいから、彼にちょっと相談してみよう。
オレたちも彼もそんなに英語が得意じゃないけど、
まぁどうにかなるだろ。
彼に相談してみたら、どうにか話は伝わった。ε-(´▽`)
さらにはその兄ちゃんが宿の人に話をつけてくれ、
宿の人が運転する車でギョベクリ・テペまで行けることになった。
料金は80TL(約4000円)で距離や時間を考えれば妥当な値段だ。
これにはマジで助かった。超ラッキー!!
お昼過ぎ、ギョベクリ・テペに向けて出発した。
シャンルウルファの街を出てちょっと走ったら、
こんな荒野みたいな景色になっちゃった。
あるのはゴロゴロ転がる岩とほんの少しのオリーブ畑だけ。
そしてついにギョベクリ・テペの遺跡に到着。
ここが約12000前の神殿跡。
小さい石が積まれているのと
ストーンヘンジみたいな巨石が立っているのがわかるかな?
拡大!
巨石はT字型をしている。
ちょっと欠けたり割れたりしてるからキレイなT字型じゃないけれど、
明らかに人間によって形が整えられているのははっきりとわかるよね。
この巨石、大きいものは3mぐらいは余裕であるように見える。
近寄れないから正確な高さはわからないけど、相当デカいね!(^o^)/
巨石には動物等の彫刻が掘られているものもある。
これは鳥の彫刻。
他にも色々あって、本当に素晴らしい遺跡だった。
ギョベクリ・テペの遺跡を見た後、シャンルウルファに戻り街中を見て歩いた。
こっちはこっちで見どころが沢山あるから大変だ。
まず最初に行ったのは聖なる魚の池。
池の中には沢山の聖なる魚(黒い鯉)がいる。
池の中をよーく見たらハゼみたいな形の魚もいた。
伝説によると、ここで白い魚を見た者は天国に行けるらしい。
ちなみにここは預言者アブラハムが火あぶりの刑になった場所なんだって。
アブラハムが火刑になった時、神が火を水に変え、燃える薪を鯉に変えたという
言い伝えがこの池にはあり、多くの人がここを訪れていた。
でも、トルコ以外から来てると思われるような観光客はほとんど皆無。
みんながオレたちをジロジロ珍しそうに見てくる。
そんな中、いかにもイスラムっぽい雰囲気のおっちゃんが
ハロー!ワシを覚えてるかい?って声をかけてきた。
あ!このおっちゃん!!
昨日シャンルウルファのオトガル(バスターミナル)でオレたちに、
どこに行くんだ?ホテルの予約はしてるのか?って声をかけてきた人だ。
最初は、トルコ中どこにでもいる客引きかと思って半ば無視してたんだけど、
オトガルから街中に向かうバス停への道を教えてくれたりして、
割といい人だったんだよね。
こんなとこで会うなんて奇遇だな。
せっかくなんで立ち話をしていたら、
色々興味深い話が聞けて面白かった。
さらには、今夜晩飯を食いにこないか?と誘われた。
このおっちゃんはクルド人でクルドの飯を食わせてやるという。
それは面白そうだ!行く行く!!
どんなのが食べれるんだろ~~~???
夜、おっちゃんの家に行った。
おっちゃんはアジズさんという名前で、
この辺のガイドをやっててゲストハウスも経営してるんだそうな。
彼は客が泊まったときにはクルドの食事を振る舞うのが好きなんだって。
オレたちここに泊まってるわけじゃないのにいいのかな~って思ったけど、
おっちゃん自身がオレたちと話をしてみたいようだし、
両方にとって楽しけりゃそれでOKだよね。
これが出してもらったアジズさんの奥さん(ファリダさん)の手料理。
メルジメッキチョルバとイチリキョフテ。
メルジメッキチョルバとは、レンズ豆のスープ。
野菜の旨味がたっぷりで、羊ダシの素晴らしいコクと香り。( ̄ー+ ̄)
おっちゃん曰く、冬は毎日毎食このメルジメッキチョルバらしい。
イチリキョフテも激ウマだった。
羊の挽き肉、野菜、スパイス、ヘーゼルナッツを混ぜ、
つぶつぶの麦の衣で揚げたメンチカツみたいな料理。
トルコ中で食べられてるけど、ここシャンルウルファの名物なんだって。
これはブドウの果汁に麦の粉を入れてを煮詰めて作ったお菓子。
干し芋みたいな食感と素朴な甘さが印象的だった。
それにしても、全てがメチャウマでビックリだったね!
ごちそうさまでした~~~!!!ヾ(=^▽^=)ノ
ところで話が変わるけど、
食事をしながらアジズさんからトルコにおけるクルド人の歴史や
クルド人の文化について教えてもらえたのがとても良かった。
その中でも特に、彼が言ってた幾つかの言葉はオレたちの強く心に残った。
ワシらクルド人は、テロリストじゃない。
そして、トルコから独立してクルド人の国を作りたいわけじゃないんだ。
クルド人はトルコと戦いたいなんて思ってないし、誰もが平和を望んでる。
ただクルドの文化や伝統を持ち続けたいんだ。後世に伝えたいんだ。
例えば、トルコの政府に止められてるクルド語を学校で教えるとかね…
トルコでは、たとえクルド人が多く住む地域でもトルコ語での教育が強制され、
クルド語の教育は行われていないんだそうな。
家庭ではクルド語なのに学校ではトルコ語…確かにビミョーだ。
アジズさんの訴えたい気持ちが痛いほどよくわかった。
クルドの人々がクルド語で学校教育が受けれるようになることは、
長い間奪われてきたクルド人のアイデンティティを
彼らが取り戻すための、大事なプロセスなんだろうな。
現在、EUへの加盟を目指しているトルコ。
だがそのためには乗り越えなければならない障壁が幾つもあり、
その中の一つがクルド人の問題だ。
それが故に現在のトルコ政府は、クルド人に対する政策を変えつつある。
しかしトルコの現状を見る限り、
トルコがEUに加盟できる日は当分来ないだろうとオレは思う。
ただそれでも、トルコという国が
良い方向に少しずつ変化していくことは期待できる。
いつの日か、トルコが民族や宗教を越えて
誰もが笑って暮らせる国になることを願う。
そして、アジズさんファリダさんありがとう!😃
سوپاس Spas!