ユネスコ世界遺産第一号は全部で12件。
そのうちのひとつがクラクフ郊外にあるヴィエリチカ岩塩坑。
ちなみに12件の中にはクラクフ歴史地区も含まれる。
クラクフとその郊外だけで
世界遺産登録一号がふたつもあるなんて知らなかった。
岩塩坑は、夏休みということもあってかかなりの混雑ぶり。
見学はガイド付ツアーのみなので言語別に並ぶのだけど
てっきり各国からの観光客がメインかと思っていたのが
ポーランド人が予想以上に多かったのが意外だった。
その深さ300メートル、全長約250キロ、9層にも及ぶ岩塩坑。
見学のスタート地点に降りるまでの階段は53個もの踊り場があった。
(15〜20階建分は降りたかな?)
木材で支えれている部分もあるけれど
坑内は上下左右すべて塩で覆われている。
こうした空間が山のようにあるけれど周りはすべて塩!
結晶になっているところも。
かつての坑夫たちの採掘の様子を再現したものや
ポーランドの偉人たちの銅像ならぬ塩像があったり。
この方もポーランドを代表する歴史的人物のひとり、コペルニクス。
彼もこの岩塩坑を訪れたことがあるそうだ。
なかでも圧巻はここ。
この大広間のような聖キンガ礼拝堂。
壁のレリーフや彫刻だけでなくシャンデリアまで塩だよ!
ピッカピカの床ももちろん塩。
最後の晩餐も塩。
これらの作品は坑夫たちの手によるものというから感心する。
なんの関係があるのかわからないが
通路脇に唐突に怪獣が潜んでいた(隠れキャラ?)。
どこまでも続く坑道。。。といってもこれは氷山の一角(;゚∀゚)
見学前半は岩塩採掘場としての坑道見学というよりも
坑夫たちの芸術作品鑑賞コース的印象。
ここまでで地上に戻るか、さらに続く博物館を見学するか選択できる。
すでに約2時間も経過しているのもあり、ここで終了の人も多いけど
欲張りな私たちはもちろん続きを見学 (^o^)v
ここから先はより深い層に入って
岩塩坑の歴史により詳しく触れていく。
前半でも見てきたエレベータの仕掛け。
ここで見るものは一層規模が大きくなってきた!
後半のクライマックス。
この空間はこれまで見た中でもより高く(深く)
そのあまりの規模の大きさに圧倒される。
祈りの歌を歌いながら坑夫が上り下りしていた様子が再現されている。
じつは後半の博物館見学
わけあって私たち二人とガイドさんのみのプライベートツアー。
ここまで3人だけでひっそりと静まる坑道を歩いてきたあとの
この坑夫たちのシーンには感動を覚えた。
たった二人のためにガイドをしてくれた男性は現在69歳。
彼はこの岩塩坑が現役稼働していた当時の数少ない生き証人だ。
そんな貴重な声を聞かせてもらえたのも有り難かった。
見学の最後はこの一枚の絵。
坑内に掲げられた絵の中でもっとも古いという絵には
聖人に手を引かれた子ども・・・
なぜここで子ども???
真っ暗闇で幼子にかえったような心細さを感じている
坑夫の心情を表したものだそう。
坑内に残る数々の礼拝堂や祈りの対象となるモチーフは
単なる坑夫の手慰みではなかったんだ。。。。
700年というこの岩塩坑の歴史の重さを噛み締めた。
最後に…本日の豆知識。
古代から塩は価値あるものとして
物品と交換されるお金のように扱われてきました。
その為お金にまつわる言葉には塩が語源のものがいくつか。
日本に馴染みのあるところでサラリーマンの「サラリー」。
ルーツは塩がお給料代わりに支払われてた古代ローマに遡るとか。
イタリア語でお給料の意のSALARIOや
お金そのものを表すSOLDIもその仲間。
さらにイタリア語には、値段が高い!という意味で使われる
「PREZZO SALATO」直訳すると「塩っぱい値段」という表現があり
なんで「塩っぱい」なんだろう?
値段が高いとキッツイわ〜みたいな感じ?かと思っていたけど
これも塩(SALE)が語源だったんだって (´・∀・`)
〜ヴィエリチカ岩塩坑観光情報〜
アクセスはクラクフ中央駅前始発の304番の市バスが便利。
切符はバス停前の券売機にて。
suburban/double journey(郊外/往復)7.6zl(ズローティ)
片道は4zlなので往復がお得!
寒い寒いと聞いていた坑内だけど
前半ルートは人も多いためかそうでもなかった。
むしろ、それなりの距離を歩くこともあって
暑くなって途中で上着を脱いだくらい。。。
でも、後半は一転して激寒!!!
個人的には後半の博物館がより興味深かったです。
時間&体力のある人はぜひ参加をオススメします♪